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Channel: 慢性前立腺炎・膀胱頚部硬化症
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慢性前立腺炎 17年間の闘病

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Cp17y24082m6017年前に私立医科大学病院で「慢性前立腺炎」と診断され、いったんは点滴治療で「痛み」症状は改善しましたが、その後も症状は波のある状態で不安定なまま過ごしていました。
ところが、平成21年4月頃より急に「痛み」症状が悪化し、東京の国立病院、有名私立病院、私立医科大学病院などの泌尿器科を10軒以上転々と診断と治療を受けましたが、「気のせい」「気長に・・・」などと言われ、心療内科も2軒通院していました。そしてついに高橋クリニックに平成22年1月来院しました。
この写真は初診時の超音波エコー検査のものです。前立腺の大きさは22ccとほぼ正常の大きさですが、膀胱出口の硬化像、膀胱三角部の肥厚、膀胱括約筋の肥厚・ワニ口変形、さらには前立腺結石を認めます。
痛みなどの関連痛の原因は、肥厚した膀胱三角部が元凶と私は信じています。

Cp17y24082m602尿流量測定検査(ウロフロメトリー)では、ご覧のようにタラタラの排尿曲線です。極端な排尿障害を認めます。121mlの尿を67秒もかかって排尿しているのです。
初診時の症状は、ヒリヒリした「会陰部の痛み」で、夜眠ることができません。また、排尿前には陰茎根部に痛みが、排尿後には尿道全体に痛みが走ります。
頻尿は1日13回、排尿障害も自覚していて、尿流量測定検査(ウロフロメトリー)で示すように途切れ途切れのおしっこで苦しんでいます。食欲が落ち、72kgあった体重が初診時は63kgです。
早速、α-ブロッカーを処方しました。症状は本人が自覚できる程軽快しました。しかし17年間も苦しんだので今回何とかしたいと内視鏡手術を強く希望され、平成22年の2月に内視鏡手術を実施しました。
(注:この患者さんのように内服薬で十分コントロールできるのであれば、内視鏡手術を行う必要はまったくありません。手術を行うかどうかの判断は患者さんの希望だけです。)

Cp17y24082m60op内視鏡手術直前の所見です。
膀胱頚部硬化症の特徴である「柵形成Bar in the sky」を認めます。たった直径5mmの電気メスの半円状ループが大きく見えてしまうほど小さな膀胱出口です。

Cp17y24082m60op2内視鏡手術直後の所見です。
わずか1.1gの切除ですが、「柵形成」は消失しました。手術による前立腺の直接被害もわずかです。慢性前立腺炎の関連痛症状の原因である過敏になった膀胱三角部も処置しています。

Cp17y24082m603内視鏡手術4ヵ月後の超音波エコー検査の所見です。
前立腺の大きさはほとんど変わりませんが、膀胱出口の硬化像はなくなり、膀胱三角部も薄くなっています。

Cp17y24082m604尿流量測定検査(ウロフロメトリー)では、全くの正常ではありませんが、術前の検査と比較すればまとまりのある排尿曲線で激変です。

肝心の症状については、1日の頻尿が7回以下、会陰部と陰茎と尿道の痛みは完全消失、食欲も出て体重は63kgから70kgに増加しました。嬉しいことがあります。朝立ちで目覚めるというのです。以前であれば考えられないことです。
17年間の苦しみから解放されたと、平成22年6月30日現在とても喜ばれています。奥様も人柄が変わった(もちろん良い方に)と喜ばれています。


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