小学2年生(7歳)の頃より1日12回以上の頻尿と夜間3回の頻尿がありました。
25歳の時に初めて「慢性前立腺炎」と診断されましたが、治りません。
現在では、頻尿の他に会陰部痛(しびれ・モヤモヤ感)、左睾丸痛(チクチク感)、陰茎根部の痛みが彼を悩ませています。椅子に座るとこれらの症状が強く出ます。
平成22年6月に37歳の時に高橋クリニックを受診しました。
超音波エコー検査では、膀胱出口の硬化像、前立腺結石を認め、膀胱出口・括約筋間距離が13mm(正常5mm)と長くなっています。膀胱三角部も厚みのある存在として確認できます。
尿流量測定検査(ウロフロメトリー)では、30歳代とは思えないほどの勢いの悪さです。自尿254mlを47秒もかかって排尿しています。残尿3mlとわずかですが、最大排尿速度8.7ml/秒、平均排尿速度5.3ml/秒と前立腺肥大症型の排尿曲線です。
【患者さんからのメール】
高橋クリニック 御中
高橋 先生へ
大変お世話になります。
先月、6月16日に初診した診察カード No.・・550 〇〇〇〇です。
薬が7月15日にきれますので、ご報告をメールで差し上げます。
当初は福岡県在住のため、東京都の高橋クリニックへ診察を受けに行く事には、少々ためらいや不安もございました。
しかし、今では先生の診察を受けて、病気の原因が判明しホッとしています。ありがとうございます。
地元の病院で異常なしの診断を受け、別の病院では "慢性前立腺炎" との診断、更に別の病院では "気のせい、気にするな"正直、原因が分からず精神的にまいってました。
帰宅しては、『先生に診察を受けて良かったばい、はよぅ診察ば受けやんやったね、キチンと診てくれて良か先生やった』
また、『まごめ薬局の薬剤師さんも、薬の効果などよう説明ばしてくれらした』地元では、先ず有りえません。違う意味で医療格差を痛感しました。
初診を受けた日、頻繁に通院しては経済的に負担がかかるので、薬を宅配便で送付して頂けるとの事でしたので、次の日から "症状の記録" をつけて行く事にしました。
症状、症状(痛み、痺れ)の程度、平均点(良い0 ⇔ 10悪い)を記録しています。
先生に初診を受ける前は、平均点(7~10)でした。今では、平均点3~4くらいです。
全く症状(痛み、痺れ)が気にならない日はありませんが、初診を受ける前に比べれば我慢出来る範囲の症状になりました。
今日、私の母が先生にTELを差し上げますので、今後の事などでアドバイスをして頂ければ幸いです。
先生、これから暑くなりますので健康に気をつけてください。
以上です。
上記のメールに記載されたように、α-ブロッカーで症状は改善しましたが、全体的に症状が一進一退で、ついに内視鏡手術を希望されました。
手術直前の膀胱出口の所見です。通常、膀胱出口6時の位置に「柵形成」が顕著に認められますが、この患者さんの場合、6時の位置は低い土手にしか見えませんでした。しかし電気メスから伝わる感触では硬い組織でした。
12時の位置が下方に下がっており、これが排尿障害の原因です。
炎症性ポリープや石灰も観察できました。
手術直後の所見です。
膀胱出口の12時の位置を中心に処置し、膀胱出口を開放しました。
膀胱三角部は三角ではなく「T」字に変形していました。「T」字の縦棒部分を十分に切開して緊張をゆるめました。